技術用語集

── カップシーラー・包装機械 ──

カップシーラーや包装機械の選定・運用にあたって押さえておきたい専門用語をまとめました。容器・フィルム・機械の各分野で、お客様からよくお問い合わせをいただく用語を中心に整理しております。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

目次

A. シール機械の種類・方式

カップシーラー/トップシーラー/トレーシーラー

容器の上面にフィルムでフタをする包装機械の総称です。カップシール機、トップシール機、トレーシール機など、メーカーによって呼び方は様々ですが、すべて同じ用途で使用されています。容器の形状や用途に応じて呼称が変わることが一般的ですが、機能としては同一カテゴリの機械です。

卓上式シール機

作業台の上に設置可能な小型のシール機です。100V電源で稼働可能な機種が多く、小ロット生産(おおよそ400個/時以下)に最適です。導入コストを抑えられるため、少量多品種の生産現場や試作段階で広く使用されています。また、小型のため、インショップなどレジ横などに置ける機種もあります。

ロータリー式シール機

回転式のテーブルに容器を順次セットしてシールする方式の機械です。中ロット生産(700~1,800個/時)に最適で、コンパクト設計で省スペースに量産が可能です。複数工程を同時並行で進められるため、卓上式より生産性が高くなります。

ストレート式シール機

容器を直線的に搬送しながら連続的にシールしていく方式の機械です。大ロット生産(1,000個以上/時)の連続稼働に最適で、生産能力が高いことが特徴です。食品工場の量産ラインなど、安定した生産量が求められる現場で使用されます。

インダクションシーラー(電磁誘導加熱式)

蓋の中に専用のアルミフィルムを入れ、電磁誘導加熱の原理でフィルムを溶着させる方式のシール機です。ガラス瓶や金属容器など、通常のヒートシール機では対応が難しい容器のシールに使用されます。医薬品や化粧品など、密封性が特に重要な製品で多く採用されています。

B. 包装技術

ヒートシール

熱と圧力でフィルムを容器に溶着させる包装方法の基本技術です。温度・時間・圧力の3要素を、容器とフィルムの組み合わせに応じて適切に調整することが、安定した密封品質を実現する鍵となります。シール温度が低すぎると密封不良、高すぎるとフィルムの破れや容器変形の原因となります。

MAP包装(ガス置換包装)

Modified Atmosphere Packaging の略で、包装内の空気を窒素や炭酸ガスなどに置換する技術です。酸化や微生物の繁殖を抑え、食品の鮮度保持と賞味期限の延長を実現します。肉類、魚介類、野菜、菓子など幅広い食品で採用されており、廃棄ロスの削減にも貢献します。

脱気包装

中身を容器に満杯充填を行い、表面張力を利用してトップフィルムをシールすることで空気の混入を防ぐ包装方式です。主にゼリーやプリンなどのデザート製品で採用され、内容物の見た目を美しく保持するとともに、酸化抑制による保存性向上を目的として使用されます。また、輸送時に内容物が崩れにくくなるという利点もあります。
この方式は、脱気タイプの専用シール機を使用することで実現可能です。

満杯充填

容器の縁ぎりぎりまで液体や半固形物を充填する方式です。容器内の空気層をなくすことで内容物の酸化を抑え、鮮度保持と保存期間の延長に寄与します。ドリンク、ゼリー、水ようかん類などで採用される充填技術です。

C. 容器の素材・タイプ

ポリプロピレン(PP)

耐熱性・耐油性に優れたプラスチック素材で、電子レンジ対応容器の主流素材として使用されています。お弁当箱、惣菜容器、保存容器など、温め直しが想定される食品容器に広く採用されています。比較的軽量で扱いやすいことも特徴です。

ポリエチレンテレフタラート(PET/C-PET)

透明度が非常に高く、内容物の見た目を美しく見せられる素材です。サラダ容器、カットフルーツ容器、ドリンク容器などで広く使用されています。標準のPETは耐熱性が低く電子レンジ加熱には不向きですが、耐熱性を持たせた派生素材としてC-PETがあり、こちらは加熱用途にも対応可能です。

ポリスチレン(PS)/発泡ポリスチレン(PSP)

ポリスチレン(PS)は透明性が高く価格も安いため、惣菜容器や使い捨て容器に多用される素材です。発泡ポリスチレン(PSP)は軽量で断熱性に優れており、肉や魚のトレーとして広く使用されています。鮮度保持と取り扱いやすさを両立できる素材です。

バリア容器

酸素や水蒸気を通しにくいバリア層を持たせた特殊な容器です。内容物の日持ち効果を高める効果があり、MAP包装と組み合わせることで保存期間の大幅な延長が可能になります。長期保存が求められる食品で採用されることが多い容器です。

ボトル容器

容器のトップ部分が胴体より小さい形状の容器です。一般的なカップ容器との対比で使用される用語で、ドリンク類などで使用されます。トップ部分がフラットで2mm以上の幅があれば、ほとんどのボトル容器でシールが可能です。

リフィル容器

内容物を使い切った際に別売の「詰め替え用(レフィル)」を補充・セットして繰り返し使える容器です。プラスチックゴミの削減やコストダウンに繋がり、化粧品、シャンプー、文房具など幅広い分野で普及しています。トップ部分がフラットで2mm以上の幅があれば、ほとんどのリフィル容器でシールが可能です。

ジャー容器

容器のトップ部分が胴体と同じ大きさで、浅型の容器です。ねじ込み式の蓋がセットになることが多く、主に化粧品類で使用されます。トップ部分がフラットで2mm以上の幅があれば、ほとんどのジャー容器でシールが可能です。蓋の中に専用のアルミフィルムを入れるインダクションシーラーでシールする事もできます。

リッド(蓋)

容器のトップ部分にかぶせる蓋の事で、主にテイクアウト用のドリンク容器に使用されます。ドリンクカップにトップシールした上にさらに、リッドをかぶせる事もできます。

D. フィルム・包装資材

トップフィルム

容器の上面を密封するために使用されるプラスチックフィルムです。容器の素材に合わせて適切なフィルムを選定する必要があり、相性が悪いとシール不良や歩留まり低下の原因となります。デザイン印刷を施すことで、商品の魅力を高める役割も担います。

有孔フィルム

プラスチックフィルムの表面に多数の小さな孔(あな)を開けた製品です。用途に合わせて孔の大きさや間隔が異なり、農業・園芸における温度・湿度調整や、食品包装における鮮度保持・ガス抜きなどに広く活用されています。青果物の呼吸によって発生するガスを逃がし、袋内の結露や蒸れによる腐敗を防ぎます。

紙フィルム

主に紙容器に使用されます。紙フィルムは、プラスチック製品に比べて環境にやさしい素材であり、その利用は環境問題に対する取り組みの一つとなります。紙フィルムは木材などの天然素材から作られているため、製造時の環境負荷が低く、再生利用も可能です。また、破棄の際の分別の手間も軽減されます。

イージーピールフィルム

容器にシールするフィルムで「イージーピール(開封性フィルム)」は、プリンやゼリーなど、フタをしっかり密着させつつ、手で引っ張ると比較的軽い力で剥がせるフィルムです。近年では殆どのトップフィルムがこのタイプです。
<イージーピールの3タイプ>
剥離の形態(破壊モード)を意図的にコントロールすることで実現しています。主に以下の3つのタイプがあります。
・凝集剥離(バルク破壊)タイプ
 シール層(接着層)そのものが内部でちぎれるように設計されています。
・界面剥離タイプ
 フタと容器の接着面(界面)がキレイに剥がれるように設計されています。
・層間剥離タイプ
 多層フィルムの「中の層」をあえて剥がすように設計されています。

完全溶着フィルム(非イージーピール)

容器にシールするフィルムで、手で引っ張っても剥がすことが困難な、カット豆腐などで採用されいるフィルムです。特に液体や水分を含む食品では、耐内圧性が高く、完全溶着するこのタイプが採用されることがあります。

オープンマウス(タブ・取っ手・開け口)

トップフィルムを剥がしやすくするための、手で持つ部分(剥がし口)のことです。「タブ」「取っ手」「開け口」とも呼ばれます。標準型・丸型・長型・無しの4種類が一般的で、形状によって剥がしやすさやシール強度との相性が変わります。お年寄りなど握力の弱い方向けの商品には、大きめのデザインが推奨されます。

レジマーク(光電管マーク)

絵柄付きトップフィルムに印刷された、機械が読み取るための位置決め用のマークです。シール機の光電管センサーがこのマークを検知することで、フィルムの絵柄とカット位置を正確に合わせることができます。これにより、絵柄が揃った美しい仕上がりが実現します。

E. 機械の主要部品

アッパーモールド(温度センサー・ヒーター棒・トリミング刃内蔵)

シール時にフィルムを溶着させる加熱部分です。容器の形状に合わせて作成される「型」の中に設けられており、ヒーター棒で加熱、温度センサーで温度を制御します。また、シールと同時にトリミング刃でフィルムをカットします。シール品質を左右する最重要部品の一つで、断線時には温度が上がらない、温度が安定しないなどの症状が発生します。また、トリミング刃は消耗品で、切れが悪くなるとシール不良の原因となります。

ローモールド(台車、バケット)

シール時に容器をセットする部分です。容器の形状に合わせて作成します。シール性を高めるために容器のフランジが当たる部分にシリコンゴムが取り付けてあるものもあります。また、フィルムを押えるために、容器の周りにもシリコンゴムが取り付けてあります。※脱気タイプ場合はシリコンゴムはアッパーモールド側に取り付けてあります。

フィルム巻取り装置

トップフィルムをシール、トリミングカット後に巻き取る装置です。シール後のフィルムは「スクラップフィルム」と呼ばれており、巻取り量が増加すると、巻径が大きくなりトルク負荷も増えるため、一定量に達した時点で定期的にスクラップフィルムの廃棄処理を行う必要があります。

容器検知センサー

ローモールド(台車)に容器をセットした際に反応し、自動的にシール動作を開始するためのセンサーです。

光電管センサー/エンコーダーセンサー

フィルムの巻取り量を制御するセンサーです。絵柄付きフィルムを使用する場合は光電管センサーがフィルムに印刷されたレジマークを読み取って巻取りを制御し、無地フィルムの場合はエンコーダーセンサーが歯車の回転を計測して巻取り量を制御します。フィルムの種類に応じて使い分けられます。
※ストレート式シール機の場合、光電管センサーはレジマークがズレた時に補正する仕組みになります。

F. 印字関連

ロットNo印字/賞味期限印字

食品トレーサビリティと品質管理のためにトップフィルムへ印字する技術です。ホットプリンター、サーマルプリンター、インクジェットプリンター、など複数の方式があり、生産量・コスト・印字内容に応じて適切な方式を選定します。食品衛生法対応や、万一の回収時の追跡可能性を確保するために欠かせない工程です。

ホットプリンター

主にカップシーラーに搭載し、賞味期限やロットNOの印字を行います。活字フォルダーに活字をセットします。インクリボンに熱せられた活字を押し付けるという構造がシンプルなため比較的、初期導入コストが抑えられます。

サーマルプリンター

主にカップシーラーに搭載し、賞味期限やロットNOの印字を行います。活字を使わずプリントヘッドとインクリボンにより印字します。内容はタッチパネルやパソコンで変更します。デジタル式のため、バーコードやQRコードなどの印字や、ロゴや原材料なども印字可能で、ある程度の大面積の印字もできます。

インクジェットプリンター

主にコンベアー上に設置し、賞味期限やロットNOの印字を行います。微細なインクを噴射することにより印字します。インクを噴出するプリントヘッドとトップフィルムは非接触となります。このため、ある程度の凸凹や曲面にも印字する事が可能で、トップフィルムだけでなく容器に印字することもできます。デジタル式のため、バーコードやQRコードなどの印字や、ロゴや原材料なども印字可能で、ある程度の大面積の印字もできます。

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