初めてでも安心!カップシーラーの設定方法、温度や時間の設定とは?

カップシーラーは飲食業界で幅広く利用される機械ですが、その設定や意味など、わからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、初めてカップシーラーを使う方でも安心して始められるよう、温度設定や時間設定などの基本的な設定項目とそれぞれの意味を詳しく解説いたします。

目次

カップシールの基本

カップシーラーは一見難しいと思われますが、実は単純な動作を複合的に行う機械です。

1.フィルムを容器の上に敷き

2.フィルムの上から熱いヒーターを押しつけ

3.フィルムをカットする

いかがですか?カップシーラーとはこれだけの事をするための機械といっても良いです。

弊社の最も基本となるカップシーラーの動画もご参照ください。

設定によりシールの強さが変わります。シール強度は以下の3大要素で決まります。

1.シール温度:ヒーターの温度

2.シール時間:ヒーターを押しつけている時間

3.シール圧力:ヒーターを押しつける圧力

このうち[3.シール圧力] はバネの強さで決まるため、設定で圧力を変更することはできません。

フィルムと容器には適合性があり、闇雲にヒーターを熱くしてしまうと容器が変形してしまったり、シール強度に問題が発生してしまいます。そこで、フィルムと容器の適合性を考慮し、ヒーターの温度と乗せる時間の調整(設定)が必要となります。この他にフィルムの巻取り量や種類の設定などありますので、1項目ずつ詳しく解説します。

基本的な設定項目

シール温度設定

シール温度設定はヒーターを何度まで熱くするかの設定です。シール後実際に剥がしてみましょう。

シールが弱い場合:温度設定を5℃程上げます。

シールが強い場合:温度設置を5℃程下げます。

温度設定を変更しながら、適切な温度を決めます。

簡単に剥がれてしまったり、容器が変形するぐらい強すぎる場合には温度設定を10℃程度上下させてください。

又、シール強度はちょうど良くても容器が変形してしまう場合は、次項目の「シール時間設定」を参照してください。

シール後に剥がすまでの時間について

シール直後に剥がしてしまうと正しい強度は分かりません。

◎最低1分後、フィルムが冷めてから剥がす。

◎理想はお客様に商品が届くまでの時間経過後に剥がす。

◎ボイル殺菌、冷凍、冷蔵が必要な場合は、その後に剥がす。

◎運搬時の衝撃により剥がれてしまう事もあるので実際に運搬テストも必要です。容器を上に直接重ねてしまうと剥がれてしまう場合は容器の上に緩衝材を敷くなど工夫が必要の場合もあります。

フィルムや容器は大きさや素材など、たくさんの種類があります。又、適合性の無い素材同士ではいくらヒーターの温度を上げてもシール出来ません。容器に適合したフィルムを使用する事が重要です。

シール時間設定

シール時間設定はヒーターをフィルムに押しつける時間です。シール後実際に剥がしてみましょう。

シールが弱い場合:時間を0.5秒程上げます。

シールが強い場合:時間を0.5秒程下げます。

時間設定を変更しながら、適切な時間を決めます。

シール強度はちょうど良くても熱により容器が変形してしまう場合は、時間を0.5秒程下げます。又、時間を下げた事によりシール強度が弱くなってしまう場合には「シール温度設定」を上げてください。この温度と時間の設定により丁度良いシール強度を探してください。

低めの温度で時間を長くする方がシールには良いとされています。しかし、時間を長くすると生産性が落ちてしまうので、温度と時間の兼ね合いを探してください。

フィルムの種類設定

フィルムには大きく分けて次の3種類があります。

◎ロール無地フィルム(レジマーク無し)

◎ロール絵柄付きフィルム(レジマーク付き)

 ※レジマークとはフィルムの端に印刷されており、一般的には黒で四角い形をした物です。このマークを元に

  フィルムの巻取り量を決めています。

◎枚葉フィルム

フィルムの種類により巻取り方法が変わるので設定が必要となります。

ロール無地フィルム(レジマーク無し)

ロール無地フィルム全般です。シールのたびにロールフィルムを巻取りますが、タイマー設定時間分巻き取る方法と、フィルムのローラーに取り付けられたエンコーダーというセンサーで巻取り量を検知し巻き取る方法があります。

ストレートシール機タイプは、台車1個分が巻き取られるので、巻取り量の設定はありません。

ロール絵柄付きフィルム(レジマーク付き)

ロール絵柄付きフィルムでレジマークの印刷されたフィルムです。シールのたびにロールフィルムを巻取りますが、フィルムの端に印刷されたレジマークを光電管センサーで検知し、巻取り装置を止めます。つまり、レジマークからレジマークまでの間分が巻き取り量となります。

設定というより調整になりますが、絵柄が容器の真ん中に入るように光電管センサーの位置を調整します。

ストレートシール機タイプの場合、レジマークが光電管センサーの検知から外れた場合フィルム位置修正をします。

枚葉フィルム

枚葉フィルムとは容器のトップ形状に合わせ予めカットされたフィルムになります。一枚一枚容器の上にセットするので巻取りに関する設定はありません。

巻取り量の設定(無地フィルム)

ロールフィルムはシールするたびに容器の大きさの穴が空くため、フィルムを巻き取る必要があります。この巻き取る量の設定は2種類あります。

【タイマー設定】

巻取りモーターを動作させる時間を設定します。巻取りのカス(スクラップフィルム)が溜まるほど、巻取り量は増えてしまうのでスクラップフィルムは頻繁に取り除きましょう。

【エンコーダー設定】

フィルムが接地しているローラーの回転をエンコーダーというセンサーで検知しますのでその送り量を設定します。

フィルムがカットされる穴の間隔ですが、狭すぎるとフィルムを押える事が出来なくなるため、シワの原因となります。逆に長すぎると無駄になります。穴の間隔は20mm前後になるよう巻取り量の設定をしましょう。

オプション装置の設定

カップシーラーは容器のトップにシールするための機械ですが、その前後には様々な装置が付属します。それぞれの装置の基本的な設定を紹介します。

・充填装置:シール前に容器に中身を充填する装置です。充填量の設定をします。

・印字機(プリンター):フィルムに賞味期限やロットNO等を印字する機械です。印字内容や印字温度を設定します。

・ガス置換装置:容器内の酸素を追い出し窒素ガスなどを入れる装置です。ガスの圧力や置換時間を設定します。

・容器検知センサー:容器が台車にセットされた事を検知するセンサーです。感度の調整をします。

参考となる弊社ブログや製品紹介

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