トップフィルムへの賞味期限・ロットNO印字:最適な方法とは?

トップフィルムへの印字とは
トップフィルムへの印字は、製品の安全性と信頼性を保証する上で不可欠なプロセスです。賞味期限やロット番号などの情報を正確かつ鮮明に印字することで、消費者は製品に関する重要な情報を容易に把握でき、安心して製品を選択できます。また、メーカーは、トレーサビリティを確保し、万が一のリコール発生時にも迅速な対応が可能になります。さらに、偽造防止対策としても有効であり、ブランドイメージの保護にも繋がります。
印字方式について
カップシーラー搭載式(間欠式)
カップシーラー搭載式は、プリンターがカップシーラーに搭載されています。通常、フィルムの上にプリンターを設置します。シール後、印字された状態で容器が排出されます。
容器にトップシールをする前に印字をします。シール毎にフィルムが一旦止まるため、間欠式のプリンターを選択する必要があります。
トップフィルムの決まった位置に印字する事ができます。
【メリット】
一度カップシーラーの調整で印字位置を決めてしまえば、特に何もする事なく決まった位置に印字する事ができます。
【デメリット】
無地フィルムの場合でもフィルムにレジマーク(光電管マーク)を印刷する必要があります。
コンベアー搭載式(連続式)
コンベアー搭載式は、カップシーラーから排出された容器をコンベアーに乗せ印字をします。容器が連続で流れるため、連続式のプリンターを選択する必要があります。
トップフィルムの決まった位置に印刷する場合、容器をコンベアーに載せる際に向きを揃える必要があります。
【メリット】
無地フィルムで印字位置を問わない場合、シール後の容器をコンベアーに乗せるだけで印字されます。
【デメリット】
トップフィルムの決まった位置に印字する場合、コンベアーに乗せる際、同じ向きで乗せるなど、工夫が必要となります。特に丸容器の場合難しいかもしれません。
プリンターの種類
トップフィルムへの印字には、ホットプリンター、サーマルプリンター、インクジェットプリンター、など、様々な方式があります。それぞれの特徴やメリット、デメリットを理解し、自社のニーズに最適な方式を選びましょう。
ホットプリンター
主にカップシーラーに搭載し、賞味期限やロットNOの印字を行います。活字フォルダーに活字をセットします。インクリボンに熱せられた活字を押し付けるという構造がシンプルなため比較的、初期導入コストが抑えられます。

【メリット】
初期導入コストが抑えられる。ランニングコストはインクリボンのみ。
【デメリット】
賞味期限とロットNOのみなど2行程度の印字のみ。日付やロットNOが変わるごとに刻印をセットする手間がかかる。
サーマルプリンター
主にカップシーラーに搭載し、賞味期限やロットNOの印字を行います。活字を使わずプリントヘッドとインクリボンにより印字します。内容はタッチパネルやパソコンで変更します。デジタル式のため、バーコードやQRコードなどの印字や、ロゴや原材料なども印字可能で、ある程度の大面積の印字もできます。
【メリット】
賞味期限やロットNOなど、設定次第で自動で変更され手間がかからない。バーコードやロゴなども印字でき、原材料など大面積の印字も可能。
【デメリット】
プリンター本体も高価だが、タッチパネルやパソコンが必要など初期導入コストがかかる。また、定期的にプリントヘッドの交換やインクリボンの交換などランニングコストがかかる。
インクジェットプリンター
主にコンベアー上に設置し、賞味期限やロットNOの印字を行います。微細なインクを噴射することにより印字します。インクを噴出するプリントヘッドとトップフィルムは非接触となります。このため、ある程度の凸凹や曲面にも印字する事が可能で、トップフィルムだけでなく容器に印字することもできます。デジタル式のため、バーコードやQRコードなどの印字や、ロゴや原材料なども印字可能で、ある程度の大面積の印字もできます。
【メリット】
賞味期限やロットNOなど、設定次第で自動で変更され手間がかからない。バーコードやロゴなども印字でき、原材料など大面積の印字も可能。容器に印刷することも可能。
【デメリット】
プリンター本体も高価だが、タッチパネルやパソコンが必要で、コンベアー上に設置するなど初期導入コストがかかる。また、定期的にプリントヘッドの交換やインクの交換などランニングコストもかかる。
コンベアーに乗せる際、同じ向きで乗せるなど工夫が必要。
トップフィルムのデザインについて
トップフィルムに印字する場合、デザインされたフィルムの決まった位置に印字する場合には印字スペースの確保やフィルムの端にレジマーク(光電管マーク)が必要となります。
印字スペースについて

印字スペースはフィルムに白ベタを印刷し、「賞味期限」などの文字も入れると良いでしょう。白ベタ印刷の理由は、透明の場合、内容物によっては文字が見えにくくなってしまうためです。
また、印字内容から上下左右に10mmほどの余裕があると良いでしょう。理由としては多少の印字ズレが発生した場合でも枠内に入るようにするためです。
レジマーク(光電管マーク)について
レジマークとはフィルムの巻取り量を決めるための目印です。 カップシーラーの巻取り装置でフィルムを巻き取り、光電管センサーでレジマークを検出します。
光電管センサーがレジマークを読み取ると、巻取り装置が止まる仕組みです。これでフィルムデザインやプリンターの印字が所定の位置になるよう正確に巻き取ることができます。
※ストレート式の台車が数十個あるような機械の場合、光電管センサーでレジマークの検出を外れたら、再び検出されるようフィルムを少しだけ動かし修正が入る仕組みです。
無地フィルムに印字する際にもレジマークが必要です。理由は、印字位置が毎回微妙にズレることがあり、たとえ0.1mmでも何百回と印字しているうちに、トリミングされた範囲に印字が収まらなくなる可能性があるためです。

レジマーク印刷の決まり事
- レジマークの大きさ:8mm×15mm 程度 ※ストレート機の場合5mm×15mm
- レジマーク間の寸法:トリミング幅+20mm ※ストレート機の場合チェーンピッチによる
- レジマークの色:単色の場合透けてしまう事があるので2色(白ベタに黒等)にする
- レジマーク間は印刷せず透明か無地(フィルムそのものの色)にする。
- レジマークはフィルムの両端に印刷する ※光電管センサーの読み取り位置は機械により違うため
参考となる弊社ブログ



