カップシーラーの容器選定について。1型で兼用できる?できない?

カップシーラーのほとんどは使用する容器に合わせて型を作成します。つまり、1容器専用機です。ですが、条件によっては、1つの型を複数の容器で兼用することができます。この記事では、容器と型の関係についてや、1型で兼用できる場合と兼用できない場合の具体的な例や条件を詳しく解説します。

目次

容器とフィルムについて

この記事で使用される容器の各部名称です。

フランジ:シールされる部分です。

     2mm程度あればシールできます。

内寸(首下):容器の内側の大きさです。

外寸:容器の外側の大きさです。

フィルムは容器の外寸より、2.5mm程度大きくカットされます。カットする際に刃が容器に当らないようにするためです。

枚葉フィルムと言われる物もあり、これは容器の外寸サイズに合わせあらかじめカットされたフィルムです。

モールドセット(型)について

カップシーラーはご使用容器に合わせてモールドセット(下型、上型)を作成します。

容器をセットする下型をローモールドといいます。

フィルムに熱を加えるヒーターとカットのためのトリミング刃がセットになった上型をアッパーモールドといいます。

ローモールドにセットされた容器を、アッパーモールドのヒーターでシールし、トリミング刃でフィルムをカットします。

 

ローモールド(下型)は容器に合わせ作成しますので、外寸、内寸は容器と同じ寸法になります。

内寸が大きい場合、ローモールド(下型)に入らないのでセットする事ができません。

内寸が小さい場合、容器が安定しないのでシールに不具合が出てしまう場合があります。

外寸が大きい場合、容器がトリミング刃に当ってしまうのでセットする事ができません。

外寸が小さい場合はシールできますが、フランジが狭いので容器に対してフィルムがはみ出す部分は大きくなります。

アッパーモールド(上型)を下から見た写真です。

ヒーターやトリミング刃は容器外寸に合わせて作られています。

ヒーター:フィルムに熱を加えシールします。容器より少し大きく作ります。

トリミング刃:ヒーターの周りにあり、フィルムを容器に合わせカットします。容器より5mmほど大きく作ります。

オープンマウス:フィルムを手で持って剥がす部分です。大きさや形状はある程度自由に作成可能です。

ストレート機などの大きな機械の場合、ヒーターとトリミング刃は別々になっている場合があります。まず、ヒーターで容器にシールし、次の段階でフィルムをカットします。

1型で兼用できる容器、できない容器

1つの型で兼用できる容器とできない容器について詳しく解説します。

型の設計段階の場合、通常、大きい容器に合わせて型を作成しますが、寸法の差が大きい場合は1型で兼用する事ができません。又、丸容器と角容器など形状の違う容器は兼用できません。

高さ違いの容器

容器の外寸と内寸が同じ場合で高さ違いの容器は1つの型で兼用できます。

写真の容器は3つとも外寸、内寸が同じ容器です。

ドリンクS,M,Lとして1型で兼用できます。

外寸が小さい容器

内寸は同じで外寸が小さい容器の場合兼用できます。

ただし、小さい容器はフランジが狭いので容器に対してフィルムがはみ出す部分は大きくなります。

外寸が大きい容器

内寸が同じでも外寸が大きい容器は兼用できません。

トリミング刃が容器にぶつかってしまうからです。

設計の段階から外寸の大きい容器に合わせて型を作成する必要があります。ただし、小さい方の容器はフランジが狭いので容器に対してフィルムがはみ出す部分は大きくなります。

内寸の大きい容器

外寸が同じでも内寸が大きい容器は兼用できません。

ローモールド(下型)に入らなくなってしまいます。

大きい内寸に合わせてローモールド(下型)のみを作成すればアッパーモールド(上型)は兼用できます。

又、設計の段階で内寸の大きい容器に合わせて型を作成すれば問題ありません。ただし、内寸差の許容範囲は1mm程度です。

まとめ

◎高さ違いの容器:内寸と外寸が同じ場合、兼用可能

◎外寸が小さい容器:兼用可能だが、小さい容器はフィルムトリミングの余りが大きくなる

◎外寸が大きい容器:トリミング刃が容器にあたってしまうので兼用不可

◎内寸が大きい容器:ローモールド(下型)に入らないので兼用不可

内寸外寸違いの容器を使いたい場合、型設計の段階で大きい容器に合わせる必要があります。ただし、内寸の許容範囲は1mm程度なので、兼用出来ない場合もあります。お使い予定の容器を全種類、弊社にお送り頂ければ兼用の可不可を判断させて頂きます。

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