卓上カップシーラーのトラブルワースト10、原因と対策を解説します
1.容器にシールの一部しかつかない、又は全くつかない
トップフィルムのセットが表裏逆
トップフィルムの表裏に注意してください。フィルムを逆にセットしてしまうと、シール面がヒーターに貼り付いてしまい、容器にシールできません。フィルムロールの外側が表、内側が裏でシーラント層があります。シールは内側のシーラントをヒーターの熱で溶かし、容器に溶着しています。
- フィルムを正しい向きでセットし直してください。
- 一度でも逆にセットしてシールをしてしまうとヒーターがべとつくので、綺麗にしてください。
- 注意:ヒーターを掃除する際、コンセントを抜きヒーター温度が下がってから作業してください。
内容物が容器からはみ出ている
内容物がシール面に付着していたり容器からはみ出ていると、噛み込みやシワの原因となります。内容物は容器内に収まるようにいれて下さい。又、シール面に油分が付着してもシール不良の原因となります。油分はアルコール等で綺麗にふき取るようにしてください。
エアー式の場合、コンプレッサーの圧力不足
コンプレッサーの圧力不足はシール不良の原因となります。※作業をする前にコンプレサーからのエアーは完全に抜いてください。
- 圧力メーターの付いているレギュレーターや水取り装置内の水を抜いてください。
- ホース内の水を抜いてください。
- 継手からエアーが漏れている場合、一旦コンプレッサーのコックを締め、タンク内に十分空気が溜まってからコックを開くようにしてください。これでも漏れる場合ホースの劣化が考えられます。ホースを交換してください。
- 注意:水を抜く前やホースを外す前には必ずエアーを抜いてください。
ヒーターやトリミング刃の汚れ
ヒーターやフィルムをカットする為のトリミング刃が汚れているとシール不良の原因となります。又、ヒーターのテフロン加工が剥がれている場合再テフロン加工をしてください。
- ヒーターが汚れている場合、綺麗にしてください。
- ヒーターのテフロン加工が剥がれている場合、メーカーに連絡し、再テフロン加工をしてください。
- トリミング刃が汚れている場合、綺麗にしてください。
- 注意:掃除の際には機械の電源を切りヒーターが冷めてから作業をしてください。トリミング刃は鋭利なので掃除の際には十分注意してください。
シリコンゴムの劣化
容器をセットする台車のシリコンゴムの劣化(切れや剥がれ)はシール不良の原因になります。
- メーカーに連絡し、シリコンゴムを交換してください。
ヒーターやトリミング刃用バネの破損
ヒーターを容器に押し付けてシールする際やフィルムカットのトリミング刃は、バネの力を利用します。このバネが破損しているとシール不良の原因になります。バネは消耗品のため、定期的に交換をお勧めいたします。
- ヒーター用のバネは、ほとんどの場合複数本あり、1本でも破損していた場合バランスが崩れるので全てのバネを交換してください。又、トリミング刃の内側にあり外からは確認できない場合は、メーカーに連絡してください。
- トリミング刃用のバネも、ほとんどの場合複数本あり、1本でも破損していた場合バランスが崩れるので全てのバネを交換してください。
2.ヒーターの温度が上がらない
ヒーター部はシールするたびに上下動するため、長年使用しているとヒーター線が断線する可能性があります。又、完全に断線していない事もありますがシール中に温度が低下したり10℃以上、上下したりする場合断線の疑いが高いです。
- メーカーに連絡し、ヒーターを交換するか再結線してください。
3.ヒーター温度値異常
ヒーターには温度センサーがねじ込まれておりヒーターの温度センサーが断線すると、正常な温度表示がされません。また、ヒーター温度も上がりません。シール中に温度が異常に変化する場合も断線の疑いが高いです。
- メーカーに連絡し、センサーを交換するか再結線してください。
4.容器を置く台車が出てこない。又は途中で止まる
機械の電源を入れても、容器を置く台車が出てこなかったり、シール中に途中で止まってしまう事があります。
エアー式の場合コンプレッサーの点検
コンプレッサーが停止またはエアー供給がない場合、ヒーター部が下がりっぱなしになり、台車を出せません。
- コンプレッサーの電源を入れても動作しない場合、コンプレッサーメーカーに連絡してください。
- 圧力メーターの付いているレギュレーターや水取り装置内の水を抜いてください。
- ホース内の水を抜いてください。
- 継手からエアーが漏れている場合、一旦コンプレッサーのコックを締め、タンク内に十分空気が溜まってからコックを開くようにしてください。これでも漏れる場合ホースの劣化が考えられます。ホースを交換してください。
- 注意:水を抜く前やホースを外す前には必ずエアーを抜いてください。
台車レールのグリス不足
台車はレールに沿って動作しますが、グリス不足は動作不良の原因となります。
- レールや台車に付いているベアリングにグリスを塗り電源ON/OFFを繰り返すなどしてなじませてください。
台車モーターなど部品の故障
台車の動作には以下の部品が関わってます。どれか1つでも故障していると不具合が発生します。メーカーに連絡し故障部品を交換してください。
- 台車モーター:故障すると台車が動かなくなります。
- 台車モーター用ギアヘッド:故障すると台車は途中で止まったり、動かなくなります。
- 台車用リミットスイッチ:故障すると、台車が出るときは動くが、入るときに動かない、または台車が入るときに動かないが、出るときは動くなどの不具合が発生します。
- コンデンサー:故障すると台車が動かなくなります。又、劣化した場合不規則に動いたり止まったりします。
- ギアヘッド軸のイモネジの緩み:台車が途中で止まったり動かなくなります。イモネジを締め直してください。
5.トップフィルム巻取り装置に関するトラブル
トップフィルムは通常シールする度に適量が巻き取られます。全く巻取りがされなくなったり、適量が巻き取られない事があります。
設定間違い
無地フィルムを使用しているのに絵柄付きフィルムの設定をしていると適正な巻取りがされません。その逆も同じです。機械のマニュアルを確認し、正しい設定に直してください。
無地フィルム使用の場合
無地フィルムの巻き取られる量はフィルムを掛けているローラーに付いているエンコーダーというセンサーで検知しています。エンコーダーセンサーが汚れていたり、故障していると適正な巻取りがされません。センサーを掃除しても直らない場合はメーカーに連絡してください。
絵柄付きフィルム使用の場合
絵柄付きフィルムの巻き取られる量は、フィルムに印刷されているレジマークを光電管センサーで検知し、巻取り動作を止めています。光電管センサーが汚れていたり、レジマーク以外の絵柄などを検知してしまうと適正な巻取りがされません。レジマークを正しく読み込めるようにセンサー位置の調整をしてください。又、センサーによっては感度調整が必要の場合もあります。感度調整や掃除をしても直らない場合はメーカーに連絡してください。
巻取りモーターなど部品の故障
トップフィルム巻取りの動作には以下の部品が関わってます。どれか1つでも故障していると不具合が発生します。メーカーに連絡し故障部品を交換してください。
- 巻取りモーター:故障すると巻取りがされなくなります。
- 巻取りモーター用ギアヘッド:故障すると巻取りが途中で止まったり、動かなくなります。
- コンデンサー:故障すると巻取りされなくなります。又、劣化した場合不規則に動いたり止まったりします。
- ギアヘッド軸のイモネジの緩み:巻取りが途中で止まったり動かなくなります。イモネジを締め直してください。
6.容器を置いても台車が自動で入っていかない
手動運転に切替えれば動くが、自動運転の場合、容器を置いても台車が動かない事があります。台車の下などにある、容器を置く事により反応する、容器検知センサーを確認してください。
- 容器検知センサーのが汚れていると、容器を検知する事ができず台車が動きません。センサーの検知部分を掃除してください。
- 容器検知センサーの位置や感度調整をすれば直る事があります。調整方法はメーカーに連絡してください。
- 容器検知センサーは容器を置くことにより反応しますが、一度容器が無い状態を検知しない限り次の容器を検知する事ができません。シール後、あまりにも早く次の容器をセットしてしまうと反応しない事があります。
- 容器検知センサーが故障している事もあります。メーカーに連絡して交換してください。
7.フィルムの切れが悪い
長年使っていると、フィルムの切れが悪くなります。これはフィルムをカットするトリミング刃の劣化が原因です。トリミング刃は消耗品なので、メーカーに連絡して新しい刃に交換してください。又、容器をセットする台車のミゾにネジなどの硬い物が挟まってしまった場合、そのままシール作業をするとトリミング刃が破損してしまいますので、取り除いてください。取り除く際は台車が動くと大変危険なので、台車が出ている状態のままコンセントを抜くなど電源を落としてから作業をしてください。
8.ヒーター部が降りない
シールの際、ヒーターがフィルムカットまで降りてこなかったり、途中で止まってしまう事があります。
エアー式の場合コンプレッサーの点検
コンプレッサーが停止またはエアー供給がない場合、ヒーター部が下がりっぱなしになります。
- コンプレッサーの電源を入れても動作しない場合、コンプレッサーメーカーに連絡してください。
- 圧力メーターの付いているレギュレーターや水取り装置内の水を抜いてください。
- ホース内の水を抜いてください。
- 継手からエアーが漏れている場合、一旦コンプレッサーのコックを締め、タンク内に十分空気が溜まってからコックを開くようにしてください。これでも漏れる場合ホースの劣化が考えられます。ホースを交換してください。
- 注意:ホースを外す前には必ずエアーを抜いてください。
ヒーター軸のグリス不足
シールするたびに、ヒーターは上下します。グリス不足は動作不良の原因となります。
- ヒーターの軸にグリスを塗りヒーター上下を繰り返すなどしてなじませてください。
台車モーターなど部品の故障
ヒーターの動作には以下の部品が関わってます。どれか1つでも故障していると不具合が発生します。メーカーに連絡し故障部品を交換してください。
- ヒーターモーター:故障するとヒーターが動かなくなります。
- エアー式の場合シリンダー:滅多に故障はしませんが、故障するとヒーターが動かなくなります。
- ヒーターモーター用ギアヘッド:故障するとヒーターは途中で止まったり、動かなくなります。
- ヒーター用リミットスイッチ:故障すると、ヒーターが動かなくなったり、動作後エラー表示で止まってしまう事があります。リミットスイッチの位置を動かす事により正常動作する場合もあります。
- コンデンサー:故障するとヒーターが動かなくなります。又、劣化した場合不規則に動いたり止まったりします。
9.シールにシワがよる
綺麗にシールされずシワがよる事があります。
- まずは「1.容器にシールの一部しかつかない、又は全くつかない」の項目を確認してください。
- フィルムの掛け方が間違っているとシワの原因となります。メーカーのマニュアルを確認してください。
- 巻取り量の設定が短すぎるとシワの原因となります。巻取り量を増やすと直る場合があります。設定方法はメーカーマニュアルを確認してください。
10.プリンター搭載機でのトラブル
プリンター搭載機特有のトラブルもあります。
印字がされない、印字が薄い
- 印字機用のヒーター温度が低いと印字がされなかったり、薄くなってしまいます。ヒーターが適正温度まで上がるのを待つか、温度設定を変更して上げてください。※温度を上げ過ぎるとフィルムが溶けピンホールの原因となりますので、ご注意ください。
- インクリボンはシールするたびに適量が巻き取られます。巻取りがされなかったり、巻取り量が少ないと印字されません。巻取り量を増やすか、全く巻取りがされない場合はメーカーに連絡してください。
- 印字機用のヒーターやセンサーが断線又は断線しかかっていると、印字がされなかったり、薄い場合があります。メーカーに連絡し、ヒーターかセンサーを交換するか再結線してください。
- エアー式プリンターの場合、ヒーターが印字位置まで降りていない場合があります。「エアー式の場合、コンプレッサーの圧力不足」の項目を確認してください。
- モーター式のプリンターの場合、ヒーターが印字位置まで降りていない場合があります。モーターの故障か、リミットスチッチの故障が考えられますのでメーカーに連絡してください。
印字がずれてしまう。
- フィルムにレジマークが印刷されていない場合、シールする度に少しずつ印字はズレてしまいます。印字する場合には必ずフィルムにレジマークを印刷するようにしてください。
- 印字位置を決めるバーや印字機自体の設置がズレていると印字もズレてしまいます。メーカーのマニュアルを確認し、印字の位置を調整してください。
- トップフィルム巻取り装置の故障により印字ズレが発生する事もあります。「5.トップフィルム巻取り装置に関するトラブル」の項目を確認してください。
その他のトラブル
カップシーラーのトラブルは上記以外にもあります。
- 上記のトラブルが複合的に発生したり、部品交換など対策をしても直らない場合、基板が故障している可能性があります。メーカーに連絡して基板の交換をしてください。又、基板は湿気や結露に弱いので出来るだけ乾燥していて温度変化の少ない場所で作業をしてください。
- 容器やフィルムを変えた場合、シールがつかない等のトラブルが発生する事があります。容器とフィルムには相性があり、容器がPETの場合PET用フィルム、紙の場合紙用のフィルムを使用する必要があります。
- 故障や不具合が発生すると、基板にエラー番号などが表示されます。メーカーのマニュアルを確認するかメーカーにエラー番号を伝えてください。
◎弊社カップシーラーのトラブルは【TEL:03-6712-7255】にご連絡頂くか、下記お問合せフォームからご連絡ください。
◎日頃のメンテナンスも重要です。下記「カップシーラーのメンテナンス方法と重要性」の記事も合わせてご参照下さい。